不老不死の最新科学(1)シリコンバレーのベンチャー企業

遺伝子 不老不死の最新科学
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不老不死ビジネスが話題となってきた

シリコンバレーを舞台に続々と誕生する不老不死ビジネス企業

シリコンバレーと言えば半導体やソフトウェア、インターネット関連のハイテク産業が集積しているところから、ICチップの素材に用いられるケイ素(シリコン)をもじって俗にこのように呼ばれるようになったことで有名です。

今、このシリコンバレーを賑わしているのが不老不死ビジネスで一旗揚げようと目論むバイオベンチャー企業の設立です。

アップル、Google、AMAZONというグローバル企業の姿がそこにあり、これからの時代を先取りしようとする勢いです。

GAFA

2021年1月このシリコンバレーにまたひとつ新しいバイオベンチャー企業が誕生した。
それはアルトス・ラボ社です。

アルトス・ラボ社はヒトの細胞の若返りと老化防止の研究を目的に設立されたが、同社の上級科学アドバイザーとして日本のノーベル賞受賞科学者山中伸弥氏が就任した。
また、同社の出資者として豪華な顔ぶれが大きな話題となった。それはアマゾン創始者であるジェフ・ペソス氏、ロシアの大富豪ユーリ・ミルナー氏である。
特にユーリ・ミルナー氏が過去に投資してきた大企業としてフェイスブック社、ツイッター社やスポティファイ社など数多く、彼のベンチャー企業の成長を見る目の確かさはこの業界の伝説ともなっている。

しかし、一方でそのバイオベンチャー企業の乱立に危惧を抱く人々も多いのも、ほとんどが「老化防止」と「寿命延長」を目的にしているからだろう。

これからのビジネスは老化や寿命の解明がカギとなる

最初にその先鞭をつけた企業がキャリコ社である。2013年にGoogle社の創業者兼CEOであるラリー・ペイジ氏が陣頭指揮を取り設立された。設立には数十億ドルの資金が投入され、驚いたことにキャリコ社のCEOとしてGoogleのライバル社であるアップルの社の会長であるアーサー・レビンソンであったことからもGAFAの老化と寿命に対する研究が肝いりであることがわかるだろう。

キャリコ社
キャリコ社は老化とそれに関連する病気の解明を目指して、ヘルスケアとライフサイエ
ンスに関する計画で人々の健康を改善することを課題としている。

キャリコ社は2018年1月に研究の成果を発表し、ネズミを使った寿命の研究結果としてナックド・マウスの寿命と一般的なネズミの寿命の違いを発表した。
ヒトの場合、30歳を過ぎると8年ごとに死亡率が倍加していくがナックド・マウスはそれがなく、死亡率は一生涯変わらない。これが年を取らない要因のひとつと結論づけた。

次にシリコンバレーの大物投資家たちが立ち上げたHLI(ヒューマン・ロンジュビティ社)は科学界のお騒がせ男クレイグ・ベンダーをCEOに迎えた。クレイグ・ベンダーは分子生物学者であり実業家として知られ多くの実績を残している。

その他、スタートアップ・アクセラレーター「Y Combinator」は、加齢に起因する疾患やヘルス・スパン(生涯のうち健康でいられる期間を示す)などの分野に取り組む企業への1億円規模の投資プログラムを発表したことが知られています。

これ以外にもNIH(米国立衛生研究所)傘下の国立老化研究所の予算は、この6年で3倍にまで増加したことなどを考えると米国の富裕層が老化抑制に対して並々ならぬ関心を寄せていることがわかります。

こうした老化に関する研究が熱を帯びているのはこれまで謎とされてきた長寿遺伝子の正体や長寿遺伝子を活性化させる方法、細胞のリプログラミングなどの技術的向上が間覚ましい発展を遂げていることが背景にある。

次章ではこうした老化に関する話題とこれからの寿命にについて触れていきたい。

不老不死の科学(2)人生200歳時代が到来する?

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